聴覚を支援する

Project > for Hearing


触覚を利用した聴覚補助装置

触覚による聴覚代行方式の評価と改良

触覚フィードバックによる音声ピッチ制御方式

触知ボコーダ概観

盲ろう者・聴覚障害者は,自分の音声ピッチを知覚できないために、自分が発生する声の高さ(音声ピッチ)の制御が困難になります。特に歌唱に際しては,音声ピッチ制御により音程を安定的に調節する必要になります。本研究室では、盲ろう者・聴覚障害者の歌唱支援を目的として,触覚ディスプレイを用いた触覚フィードバックによる音声ピッチ制御システムを開発しています。(関連研究機関:筑波技術大学)

人工内耳

聴神経への機能的電気刺激

聴神経を直接電気刺激して音声情報を伝達させたり,耳鳴治療を行うための機能的電気刺激の研究で,電極構造の改良や信号伝送方式の開発を行い,感覚と電子機器のインタフェースに関する基礎的技術を研究しました。

音声同時字幕システム

聴覚障害者への文字を使った情報保障支援として,音声認識技術を利用して字幕を呈示する方法の研究を進めました。この研究は、中・高等教育機関での授業や講義,講演会や研究会,企業等での社内会議や研修などで,字幕呈示システムを広く使ってもらうことを目的としており、筑波技術大学などで引き続き改良が進められています。

聴覚障害者のニーズに即した呈示方法

2タイプの視線の動き

聴者と聾者の最も大きな違いは,聴者が音声を聞きながら字幕を見ることができるため文字情報と韻律情報が同時に入ってきますが,聾者は文字情報のみだということです。音声認識字幕は話しことばがそのまま字幕になったものなので,文章として書いたものとは特徴が異なります。具体的には,話しことばがそのまま字幕化されると,文法的ミスが内包されている,冗長な表現が続く一文が長い文章になるといったことがあります。こうした字幕文章は,こうした字幕文章は、韻律情報があると内容理解に重要であるかないかの取捨選択ができたり、次に話される内容を予測することができるため、字幕に読みにくさを感じないのですが、韻律情報が使えない聴覚障害者にとっては、直感的にわかりにくく、判断に時間がかかってしまい、それが読みにくいと感じる原因になっているのではないか、と私達は考えました。そこで、文章を短く切って改行することで、こうした問題を緩和し、読みやすくすることができるのではないかと考えました。

実験の結果,聴覚障害者の多くは非追従型の読み方(字幕の呈示に従って読み進めない)をしていました。そして,これらの被験者は句読点での改行に高い嗜好性を示していました。さらにそのようなタイプの呈示文では聴覚障害者は読み返しが多いにもかかわらず注視時間は短いという特徴がありました。これらのことから,聴覚障害者は短い文字数での改行を好む傾向にあることが明らかになりました。

話速変換器

話速変換方式の補聴装置の開発と有用性の評価

高齢者や難聴者が聴きやすくするため、従来からあった音を大きくする補聴装置と異なり、「音をゆっくりさせる」補聴装置を研究しました。この技術は、高齢者向けの音を聴きやすくするラジオや、健常者にも語学の徐ツールなどとして、広く使われるようになっています。

音声における「ゆらぎ」の解析と合成音声の自然性の改善

音声における振幅ゆらぎ,ピッチゆらぎ、波形ゆらぎがどのような性質を持っているかを数理的に解析し,合成音声の自然性を向上させるための方式を研究しました。